Kinesis Advantageのキースイッチを交換して静音化した話
今年は、2020-05-23にはじめての自作キーボードとしてChoco60を作ったのだけど、腰を据えて作業するときは今まで通りKinesis Advantageを使うことが多かった。ただ、自作キーボードを作る過程でスイッチの軸の違いを知り、特に静音スイッチがとても良かったので、茶軸のKinesisの音が気になるようになってしまっていた。また、音声やビデオチャットでは、なるべくタイプ音が入らないようにとヘッドセットを使っていたけど、それでもかなりタイプ音が入ってしまっていることもわかり、いい加減なにか対策をしなければと思っていた。
インターネットを調べてみると、Kinesisをカスタマイズしている事例は結構あって、一番最近衝撃だったのはoobaさんによる分割&ワイヤレス化だった。また、別の記事ではパーツ部分だけ買うこともできるという話があり、いわゆるお椀部分だったら壊れてもなんとかなるだろうという謎の安心感を得てしまったので、思い切ってキースイッチの入れ替えにチャレンジした。
参考情報
今回の作業で参考にした記事を紹介しておく。自分がオリジナルでやったことはほとんどなく、これらのサイトの情報を理解して進めただけである。先人たちに感謝するしかない。
- oobaさんのKinesis AdvantageのBLE Micro Proによる完全無線化まとめ - Togetter
- BLE化はもちろん、配線図があったので基盤が剥げてもなんとかなりそうと思わせてくれた。(そして実際に役に立つことになってしまった…)
- Kinesisのキースイッチを交換した話 - Qiita
- 今回の自分と同じくキースイッチを交換した方のログ。とても勉強になった。
- Kinesis Advantage with Cherry MX Green Switches - Imgur
- 上のQiitaの記事からも参照がある、スイッチにダイオードを仕込む場合の向きが乗っている記事。
- Kinesis Advantage: Cherry MX RedとBlue switch (赤軸化、青軸化) - すりこぎDIARY
- Kinsisのパーツを取り寄せて交換した方の記事。
作業ログ
予め購入しておいたGateron Silent Black Inkをルブして、ダイオードをスイッチの中に仕込む。他の方の記事では、スイッチの中にダイオードを仕込んでいないが、どうせスイッチを開けるのでやってみようと思ってやった。結果としてはやってよかったと思う。Kinesisは、ご存知の通り基盤を湾曲させて半田付けしなければならないので、どうしても端っこのスイッチをつけるのに苦労する。ダイオードの足をおることで、スイッチと基盤を固定することができるので、はんだ付けの作業が少し楽になったと思う。
足が生えたみなさん。前日準備はここまで。
朝から半田をひたすら吸い取ったが、途方も無い作業だと感じて絶望しているところ。わかっていたことだけど、スイッチはホットボンドでくっついているので、これを剥がすのが本当に大変。半田が取りきれてないのか、ホットボンドが取れてないのかわかりにくくて……
半田を吸い取るときは、温度を高めにしないとだめだった。270度では溶けないことが多かったので、320度で一気に溶かして吸い取っていた。そもそも半田の吸い取り自体初めてだったので、事前にYoutubeの動画をいくつか見てやり方を学んだ。
とりあえず半分終わったので、差を確かめようと組み立てたところ。
実際に打ってみるとかなり違ってて満足する様子。
これは勝利では。左が静音黒、右手が茶 pic.twitter.com/gkXhBqYIo4
— 令和最新版 津田沼 (@kenchan) December 19, 2020
端っこはこんな感じではんだ付けする。マステとダイオードの足のおかげでかなり順調。
組み立ててみたら、キーが1つ効かなくなってしまった。スイッチを剥がすときに嫌な予感がするキーが1つあったのだけど、見事にランドを破壊してしまったようだ。が、自キーの知識と配線図のおかげでリカバリーに成功。これが思ったとおりにうまくいったときは成長を感じた。
すべてキーをはめた完成系は、今までと何ら変わらないので省略。
ほぼ丸一日かかってしまったのだけど、無事完成してよかった。
使った機材や道具
- Gateron Ink スイッチ v2| 遊舎工房 * 68
- 【保守部品】ダイオード リードタイプ(100個入り) | 遊舎工房
- 潤滑剤 | 遊舎工房
- Krytox GPL 105
- Krytox GPL 205g0
- 白光 ダイヤル式温度制御はんだこて FX600
- エンジニア ハンダ吸取器 SS-02